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米国マーケット大学歯科修士課程卒業
マスターオブサイエンス
米国補綴歯科学会認定医

ドックベストセメントの歴史

誕生のきっかけ(ドックホリデー)

ペンシルバニア州・フィラデルフィア1855年当時

19世紀のアメリカ、フィラデルフィアが発祥のドックベストセメント治療法は、当時の歯科医師、ジョン・ヘンリー・ホリデー(DocHoliday)がその治療法を開発して以来、虫歯を削らずに歯を残存させる虫歯治療方法として長い歴史を持つ治療方法です。

ドックホリデーは、ある女性が6歳の時に行った虫歯治療が102歳まで再発しないで健全に保たれたことに着目し、その治療に使われていた銅セメントを改良して、レッドカッパーセメント(赤銅セメント)という、虫歯の防止と歯の神経組織の新陳代謝を復活させるセメントを開発しました。

 

当時のレッドカッパーセメントを用いた治療法は、治療箇所に赤銅セメントを埋め込み、銅の殺菌力で虫歯を無菌化して治す治療法ですが、実は我が国でも、昔から赤銅セメントは歯科治療に使われていました。いまでも昔に治療された被せ物を外した際に、中から赤いセメントが出てくることがありますが、これがまさしく、その昔にドックホリデーが作り出したレッドカッパ―セメントと同じものです。そして特徴的なことは、この赤銅セメントの下の歯質に虫歯の再発が少ないことです。

 

さて、話をアメリカに戻すと、ドックホリデーが考え出したレッドカッパ―セメントは、その後、時代の流れの中で、殺菌力を高めるために、銅の含有量を増加させていきます。しかしその結果、銅の含有量を増やしたことで毒性が出てしまうことになり、他のセメントが台頭してきたことに加えて時代の流れとともに徐々にこの治療方法は下火となっていきます。

治療法の確立(フレイザー博士)

Dr. ティモシー・W・フレイザー

しかし、時が移り変わって1990年代になると、アメリカ・ネバダ州の若き歯科医師、ティモシー・ウォレス・フレイザー博士(Timothy W. Fraser, DDS, MA)がその昔にドックホリデーが世に出したレッドカッパーセメントによる虫歯治療に注目します。フレイザー博士は、ある日一人の高齢の患者さんの歯の中から赤いセメントを見つけました。(画像:http://www.legacy.com/より)


この患者さんの口の中は、決してきれいであったわけではなかったようですが、この歯に関しては、う蝕の兆候が皆無でした。博士はこのセメントを分析し、これがレッドカッパーセメントであることをつき止めたのです。さらにフレイザー博士は研究と臨床を重ねて、銅の毒性を排除したセメントの効果的な治療方法を確立させ、これを新たに「ドックベストセメント」と名付けました。

 

時代を経て、新たに生まれたドックベストセメント治療は、虫歯を削るのではなく、細菌を無毒化してミネラルで虫歯部分を自然治癒させる治療法としてやがて広く受け入れられるものとなります。セメントは、銅イオン含有抗菌性セメントで、歯髄保護と抗菌作用を持ち、深い虫歯治療において特に有効とされています。主成分は銅、酸化亜鉛、酸化チタン、リン酸、水酸化アルミなどで、特に鉄(Fe)イオンと銅(Cu)イオンのコンビネーションによる殺菌力が効果を発揮します。また、どのセメント類よりもアレルギー反応が少ないことから、今現在は安全性の高い優れた歯科材料としてアメリカでは広く受け入れられています。(フレイザー博士は2009年に他界。)